組織

工学研究科(博士後期課程)

今日、工学系大学院の博士後期課程には、狭い意味の研究者だけでなく、産業界等において指導的立場で活躍できる高度専門人材を養成することが求められている。本博士後期課程では、学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)を以下のように定め、高度な専門的知識や研究開発能力に加え、工学の広い分野で活躍できる総合力と資質を有する高度専門技術者や研究者を育成する。

  1. 高度な専門的知識・能力、専門に関連した幅広い基礎知識、ならびに研究推進に必要な技法を有している。
  2. 広い視野に立って課題を設定し、研究開発活動を独力で推進できる能力を有している。
  3. 高度専門技術者・研究者として守るべき倫理や負うべき社会的責任を自覚し、幅広い視野をもって社会の発展をリードできる。

これまで、本博士後期課程では前期課程の10専攻の枠を外した4専攻体制で研究・教育を行ってきた。平成25年度よりこれを1専攻10分野の体制に再編し、学際的な研究や流動的で柔軟性に富んだ研究をこれまで以上に推進しやすい組織構成とした。同時に、教育課程も大幅に見直し、専門分野に関する高度な知識を教授し研究能力を育成する従来の柱に加え、学際性や実践力の育成をもう一つの柱とする新たなカリキュラムを導入した。博士後期課程を修了するには、このカリキュラムのもとで所定の単位を修得するとともに、必要な研究指導を受けて博士論文を作成し、その審査及び最終試験に合格することが必要である。社会人学生や留学生については、科目履修が過度に困難にならないよう、履修形態に多様性を持たせている。

カリキュラムの概要

博士後期課程のカリキュラムは、専門能力の育成を目的とする主専門系と、学際性・実践力の育成を目的とする副専門系の二本柱の構成となっており、それぞれ以下の科目群からなる。

[主専門系]

所属する分野の専門科目、主専門研究ゼミナール

[副専門系]

実践科目、討論形式科目、所属する分野以外の専門科目、副専門研究ゼミナール

総合創成工学専攻[各分野の人材養成目的]

物理工学分野

物質が関与する様々な物理現象の理論的、実験的研究を基盤とした教育を展開することによって、現代科学技術の基礎をしっかりと身に付け、将来、企業や大学、国公立の研究機関など様々な分野で物理的基礎とその工学的応用をつなぐ橋渡しとしての役割を積極的に果たすとともに、高度な技術革新にも柔軟に対応できる創造性豊かな研究者を養成する。

分子工学分野

無機、有機、高分子など広範な分野において、物質の構造とその機能性の関係を分子レベルで明らかにし、様々な高機能性材料を設計・合成する独創的な研究を推進するとともに、これに必要な優れた研究・開発能力をもつ豊かな創造性を備えた研究者を養成する。

生物応用化学分野

地球環境中に存在する多様な物質や生物が示す諸現象、又はそれらがもつ諸機能を原子分子レベルで科学的に解明する能力を養うとともに、最新で高度な専門知識を習得して、新規で高機能性を有する材料を自ら開発し、世界的水準で先端研究ができる創造性豊かな研究者及び高度専門技術者を養成する。

物質加工学分野

物質が有する機能性、加工性、経済性、安全性などの特性を最大限に活用する科学技術を確立し、国際的に通用する高度な専門的知識・能力を持つ高度専門技術者や創造性豊かな研究・開発能力を備えた研究者等を養成する。

知識情報システム分野

知識情報システムの分野を通して人類の幸福と発展に寄与することを願い、崇高な倫理感と創造性豊かな優れた研究・開発能力を持つ研究者等の養成を第一の目的とし、さらに、高度な専門的知識・能力をもつ技術者の養成と、確かな教育能力と研究能力を兼ね備えた大学教員の養成にも努力する。

電子システム分野

物質中の電子と光の相互作用の解明、光エレクトロニクス、量子エレクトロニクス等への応用、高機能・高効率エネルギー変換デバイス、エネルギー変換・伝送システムの動作解析、設計法・故障診断法、医用・FA/マルチメディア画像システム、生体情報の再生・復元・返還・制御、高度情報通信システム用の通信方式等の高度専門教育ならびに研究開発を通して、自立しリーダシップを発揮でき、創造性豊かな研究開発能力と国際水準の専門知識を有する高度専門技術者を養成する。

エネルギーシステム分野

高度なコンピュータ利用技術を駆使して、エネルギー移動現象の解明と制御のインテリジェント化による高効率エネルギーシステムの実現を目指す研究を行う。それらを通じて、エネルギーやシステム制御に関する高度な専門知識を備えた創造性豊かな優れた研究・開発能力をもつ研究者等を養成する。

建築都市システム分野

建築から都市、さらに広い地域にわたる社会基盤、環境を自然科学的および社会科学的方法によって理解し、設計手法によって総合するためのシステムを統合的に教育研究することを通して、高い倫理感をもって社会の発展に寄与し、創造性豊かな研究・開発能力をもった高度専門技術者、研究者、教育者等を養成する。

繊維先端工学分野

新しい繊維・高分子素材の開発から,既存の繊維に新たな機能を付与する加工技術の開発,石油や石炭などの化石燃料に頼らない繊維材料の開発を基盤とした総合的な教育・研究を通して、生活の豊かさを追求する科学に情熱を傾け、社会の変動に対応できる実践力および国際的倫理観をもった創造性豊かな研究・開発能力を持つ研究者及び高度専門技術者を養成する。

原子力・エネルギー安全工学分野

原子力およびエネルギーに関する問題に対して安全・共生という観点から学際的・学術的にアプローチし、さまざまな学問分野を基盤とする総合的で実践的な教育を通して、創造性豊かな研究を高い倫理観を持ちながら自立的に遂行できる研究者を養成する。