電気電子情報工学科

JABEE

福井大学工学部電気電子工学科は2013年度に日本技術者教育認定機構(JABEE)により認定された技術者教育プログラムです.

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研究紹介

暗号で安心・安全なシステムづくりに寄与する

大学院工学研究科
電気・電子工学専攻 廣瀬 勝一先生の写真

大学院工学研究科
電気・電子工学専攻
廣瀬 勝一先生

オンラインショッピングサイトで欲しいものがあれば、クリックひとつで買えてしまう便利な時代。そのようなサイトを利用するときには、パスワードやクレジットカード番号、住所などの個人情報を入力しますが、情報の安全性がどのようにして守られているか気になったことはありませんか。インターネット上でやり取りされる情報の安全を確保するには、第三者による情報の盗聴を防ぐ秘密保持と情報の改ざんを検知する機能が不可欠になります。システム全体の安全性は、この2つの機能をうまく組み合わせた「改ざん検知暗号」技術で高めることができます。

新しい改ざん検知暗号の開発

開発した改ざん検知暗号の構成図

私は、NTT、三菱電機と共同で、安全性と処理速度を両立させた利便性の高い改ざん検知暗号の開発に取り組みました。今回の開発で、基本的な暗号演算を組み合わせ、秘密保持と改ざん検知を実現する「暗号利用モード」と呼ばれる方法の解析をしました。情報セキュリティが脆弱な状態のところに攻撃者が現れても、秘密保持と改ざん検知で安全性を確立するのです。基本的な暗号演算を専門用語では、「プリミティブ」と呼びます。改ざん検知暗号の開発では既存のプリミティブを使うことが少なくありませんが、今回は、一から作りました。この方式は利用時の制約を大幅に抑え、パソコンなどのコンピュータばかりでなく、スマートフォンやICカードのような手のひらサイズのデバイスでも処理速度を高めることができました。処理速度の向上には、方式の工夫と高度なプログラミング、回路設計のテクニックも必要です。

世界標準を決定するコンテスト

この新たな改ざん検知暗号を現在、米国標準技術院(NIST)が支援する暗号評価プロジェクト「CAESA Rプロジェクト」に応募しています。暗号技術の安全性は数多くの攻撃に長年にわたり耐えることで信頼を得ることができます。2014年3月の応募総数は57件ありましたが、今年7月に公表された一次審査結果では30件が残り、私たちの方式を含めた4件は日本からの応募です。二次、三次審査を踏まえ、2017年12月に世界最高レベルの安全性と処理性能を実現した暗号が決定する予定です。ウェブやメールなどのコミュニケーションを助けるネット社会を経て、家電製品などのモノ同士がコンピューターネットワークを通じて社会や生活を支援するIoT (Internet of Things) の時代がまもなく到来します。多くの技術者が安心・安全な未来のシステムづくりに取り組んでおり、私もその一員として、利便性の高い情報セキュリティ技術を実現していきたいと思います。

誰もが持っている楽器“口笛”世界初!口笛検定開始!

大学院工学研究科 情報・メディア工学専攻 森 幹男先生

大学院工学研究科
情報・メディア工学専攻
森 幹男先生

口笛吹けますか?

近年、国内で定期的に「口笛音楽コンクール」が開催されるようになり、コンクールで上位入賞を果たすなどの活躍をした口笛奏者によって、「口笛音楽教室」が開講されるようになりました。また、口笛愛好家が定期的に集まり練習する「口笛音楽サークル」も増えています。このように口笛は誰もが持っている楽器といえます。福大生290名に「口笛で曲を吹くことができますか?」というアンケートをとったところ、全体の3分の1の人が「吹ける」と回答しました。吹ける人は「より上手く吹きたい」、吹けない人は「吹き方を知りたい」のではないでしょうか?しかし、口笛をどのように吹くかを理論的に説明してくれる情報は少なく、口を細めたりしながら試行錯誤をして音を出している人が多いかもしれません。実は、口笛についてはまだあまり科学的には解明されておらず、口笛音楽教室などにおいても、経験に基づく(試行錯誤による)指導が行われているのが現状です。

声道模型を用いて発生した口笛音のピッチを測定

声道模型を用いて発生した口笛音のピッチを測定

私の専門は、音声・聴覚・音楽情報処理ですが、現在は口笛の研究にも力を入れています。口笛に関してはこれまで研究ニーズに乏しく、科学的な論文はほとんど存在しませんでした。そこで、母音発声の仕組みを説明するための「声道模型」に2つのパーツを加える独自の工夫を施すことによって、口笛を吹いているときの口の中の状態を再現し、口笛音を発生させることに成功しました。これを使って発音原理を解明し、口笛を上手く吹きたい人はもちろん、口笛を吹けない人に対しても論理的な指導を可能にすることを目指しています。

口笛の録音は難しい?

口笛音を収録する場合、口笛を吹いたときの呼気がマイクロホンには雑音としてガサつくように入ってしまいます。このため、マイクロホンの位置を口唇の正面から横にずらすなどして呼気が直接入り雑音が発生しないように注意する必要があります。しかし、骨の振動から音を採取する骨導音を用いることによって、口笛音を収録することもできます。この方法を使うと、周囲の雑音が入り込まないという利点があり、これを応用した研究・開発を進めているところです。

口笛検定って何だろう?

口笛サークル「ハッピーバード」朝日新聞の取材時に東尋坊にて

口笛サークル「ハッピーバード」朝日新聞の取材時に東尋坊にて

口笛には、ピアノやそろばん等のような技能検定は今までありませんでした。開発した口笛検定試験システムではPCを使って「正確なピッチで100回発音できる」、「音階を正確に発音できる」などの達成度を測ります。合格時に表示されるパスワードを日本口笛音楽協会に報告すれば、500円(5級)からと安価な手数料で認定証を手にすることができます。検定ソフトは「口笛検定」で検索し、サイトから無料でダウンロードすることができます。また、キャンパス内では口笛音楽サークル「ハッピーバード」顧問として、口笛ハーモニーの魅力を伝えています。みなさんも口笛音楽、始めてみませんか?

窒化物半導体が創造する21世紀の省エネ社会

工学研究科 電気・電子工学専攻 教授 葛原 正明先生

大学院工学研究科
電気・電子工学専攻 教授
葛原 正明先生

昨今の報道によると「2050年までに温室効果ガスの排出量を半減する」と言われています。しかし、一体どうやって実現するのでしょうか?

次世代自動車を想像してもお分かりのように、エネルギーの利用形態は効率のよい電気エネルギーに集約しています。省エネのキーワードは「パワーエレクトロニクス」であり、これを支えるのが半導体デバイスです。福井大学には半導体関連の多くの研究室があり、特に窒化物半導体技術では世界から注目される成果が生まれています。その努力が実り、福井大学を一拠点とするNEDO事業(ナノエレクトロニクス半導体材料・ナノデバイス新構造基盤技術開発事業)や、大阪大学との連携によるグローバルCOEプログラム(次世代電子デバイス教育研究開発)が平成19年度から始まりました。次世代のパソコン、エアコン、自動車、家電製品などに最適な電気エネルギーを供給できる福井発の省エネ型半導体デバイスの実現にご期待ください。

超小型高出力電子デバイス