概要

学部長・研究科長メッセージ

福井大学工学部は、1912年創立の福井高等工業学校を祖とし、1949年に新制大学の工学部として発足しました。発足時は3学科のみの構成でしたが、時代的・社会的要請を受けて拡充を続け、現在の入学定員は525名、3年次編入定員は40名です。大学院の入学定員については、工学研究科博士前期課程が253名、博士後期課程が22名で、学部と大学院を合わせて約3200名が在籍しています。そのうち、海外からの留学生数は約120名です。福井大学は、大学全体としてはそう大きな規模ではありませんが、工学部単独でみると、工学のほぼ全ての分野をカバーする教育研究体制を敷いた大規模学部で、国立大学工学部の中でも有数の規模を誇ります。

福井大学工学部・工学研究科の教育コンセプトは、「Imagineerの育成」です。Imagineerはimagineとengineerを合わせたことばです。すべての人が健やかに安心して暮らせる社会の実現に向けて、世界的な視野で夢を描き(imagine)それを形にできる技術者(engineer)を育成するという思いを「Imagineer」ということば込め、それを工学部・工学研究科の学生および教職員が共有しています。

Imagineerを育成するために、工学部・工学研究科では、これまでにさまざまな教育上の取り組みを行ってきました。文部科学省は、教育の質向上に向けた大学教育改革の取り組みを選定し、財政的なサポートを行うことを目的に、いわゆるGP(Good Practice:教育改革の優れた取組)等の公募型の事業を行っています。福井大学工学部・工学研究科はこれまでに、この種のGP等に多数採択されてきた実績があり、その教育システムは対外的にも高い評価を得ています。

工学部・工学研究科では教育活動と同様に研究活動も精力的に行っています。研究対象は工学のほぼすべての分野を網羅していますが、その中でも「原子力安全工学」、「繊維・機能性材料工学」、「安全・安心の設計工学」、「窒化物半導体」、「遠赤外領域」の5分野を工学部・工学研究科の強み・特色と位置づけ、重点研究領域に指定しています。この5分野を含め、研究全般を強力に推進する目的で、工学研究科にプロジェクト研究センターを設置し、例えば、学会・国際会議参加費や国際学術誌への論文投稿費の援助など、研究活動の支援に力を入れています。

福井大学工学部・工学研究科は、教育研究の両面で高い評価を受けていますが、一方で社会は常に動いており、それに対応して改革を行っていくことも必要です。いま社会で求められているのは、「幅広い知識を持った専門技術者」です。工学部の学生にとって何より大切なのは、特定の分野について高い専門性を身に付けることです。そのこと自体の重要性は不変ですが、社会変革が急速に進むこれからの時代にあっては、専門性に加えて専門分野の周辺も含めた幅広い知識も同時に不可欠です。

「幅広い知識を持った専門技術者」の育成に向けて、2016年4月に工学部は改組しました。もちろん、福井大学工学部がこのような人事育成を行ってこなかったわけでは決してありません。今回の改組は、蓄積と実績に基づいて、福井大学工学部が築いてきた教育研究機能をさらに強化することが狙いです。具体的には、これまでの8学科(機械工学科、電気・電子工学科、情報・メディア工学科、建築建設工学科、生物応用化学科、物理工学科、知能システム工学科)を5学科に大くくり化して再編することで、工学の基礎に加えて複数専門分野を横断的に学習し、さらに特定の分野の専門知識を習得した人材を育成する体制を整えました。再編後の5学科は「機械・システム工学科」「電気電子情報工学科」「建築・都市環境工学科」「物質・生命化学科」「応用物理学科」です。それぞれ、「機械系」「電気系」「建築系」「化学系」「物理系」という、工学の主要分野に即した学科構成となっています。

大くくり化した各学科には、応用物理学科を除き、専門性を明示するために複数の「コース」が設けられています。学部全体では11のコースがあります。学生は、学年の低い段階ではコースに所属せず複数分野を横断的に学習し、3年次からは、いずれかのコースに配属されて専門性を高めます。これは、Late Specializationという考え方に基づくものです。なお、「幅広い知識」の中には、学際性や実践力、さらには知的財産やMOT等の産業実践力も含めており、これらに関する教育体制も整備・強化しています。

今回の改組で福井大学工学部の人材育成機能はさらに高まりました。福井は海と山に囲まれた自然豊かな地です。福井大学工学部の前身である福井高等工業学校の初代校長関盛治氏は、「教育は熱なり、愛なり、感化なり」の信念のもと、教職員と学生とが一家族同様の校風を作り上げたと伝えられています。この校風は今も変わりません。福井大学工学部・工学研究科は、学生と教職員との距離が最も近い学部です。工学部・工学研究科の教職員は、Imagineerを目指す熱い想いを共有し、皆さんが活躍できるように支援し、その実現を楽しみにしています。